事件の経緯：

　　2017年3月、同方威視公司は太弘威視公司を商標(biāo)権侵害および不正競(jìng)爭(zhēng)の理由で北京知識(shí)産権法院に提訴し、太弘威視公司は安全検査機(jī)器および公式サイト、微博（Weibo）、微信（Wechat）、宣伝資料、展示會(huì)で「威視」を含む商標(biāo)を使用し、その第1341332號(hào)商標(biāo)「威視」および第6989335號(hào)登録商標(biāo)「威視NUCTECHおよび図形」の商標(biāo)専用権を侵害し、太弘威視公司が自社名に「威視」を使用する行為は不正競(jìng)爭(zhēng)を構(gòu)成していると主張した。

　　2019年8月、北京知識(shí)産権法院は一審判決を下し、被告が「威視」の文字を含むマーク?表示のついた本事件製品の生産、販売、宣伝に従事する行為は、同方威視公司の権利である商標(biāo)専用権の侵害を構(gòu)成していると認(rèn)定し、かつ太弘威視公司の第12125350號(hào)商標(biāo)「 」（この商標(biāo)は行政訴訟一審、二審、再審および検察監(jiān)督手続きでいずれも同方威視公司の引用商標(biāo)と同一または類(lèi)似商品の類(lèi)似商標(biāo)を構(gòu)成していると認(rèn)定された）がかつて登録商標(biāo)だったことは、同方威視の登録商標(biāo)の専用権を侵害する行為の成立に影響しないとした。また、「同方威視」の商號(hào)は安全検査機(jī)器商品の中ですでに一定の知名度、影響力を有し、太弘威視公司が自社名に「威視」の文字を使用する行為は不正競(jìng)爭(zhēng)を構(gòu)成していると認(rèn)定した。北京知識(shí)産権法院は同方威視公司の商標(biāo)「威視」および商號(hào)の知名度、太弘威視と同方威視公司の間の悪意などの要素を考慮し、情狀を酌量し、太弘威視公司に対し、同方威視公司の経済損失および正當(dāng)な経費(fèi)計(jì)300萬(wàn)元の賠償を命じた。

　　太弘威視公司は上述の一審判決を不服とし、北京市高級(jí)人民法院に控訴を提起した。2020年10月、北京市高級(jí)人民法院は二審判決を下し、太弘威視公司の控訴を棄卻し、一審判決を維持した。

　　太弘威視公司は2020年11月に社名を太易宸鉞公司に変更したが、なおも二審判決を不服とし、最高人民法院に再審請(qǐng)求をした。2021年6月、最高人民法院は一審、二審の判決の認(rèn)定を維持し、太易宸鉞公司の再審請(qǐng)求を棄卻した。

　　注目ポイント：

　　同方威視公司と太易宸鉞公司の間の商標(biāo)権侵害および不正競(jìng)爭(zhēng)紛爭(zhēng)事件および商標(biāo)権?zé)o効審判請(qǐng)求行政紛爭(zhēng)事件はいずれも一審、二審、再審を経験し、そのうち商標(biāo)権?zé)o効審判請(qǐng)求行政紛爭(zhēng)事件は検察監(jiān)査手続きも経験した。集佳弁護(hù)士は民事訴訟と行政訴訟の錯(cuò)綜する手続きを巧みに運(yùn)用し、太易宸鉞公司の登録商標(biāo)「 」、「威視」を含む會(huì)社名、経営活動(dòng)における「威視」の文字を含むマークを使用、宣伝する行為に対し、全面的に攻撃をしかけ、かつ各手続きの中ですべて勝訴を勝ち取り、同方威視公司の知的財(cái)産権を効果的に守った。

　　事件の経緯：

　　金蝶公司は第1505793號(hào)商標(biāo)「 」、第26760297號(hào)商標(biāo)「 」、第4362974號(hào)商標(biāo)「 」、第28658925號(hào)商標(biāo)「」、第18790329號(hào)商標(biāo)「 」（以下、それぞれ「本事件商標(biāo)1～5」と稱(chēng)する）を保有している。そのうち、本事件商標(biāo)1は2001年1月14日に登録され、第9類(lèi)の「コンピュータソフトウエア、記録済みコンピュータプログラム」などの商品への使用が確定した。本事件商標(biāo)2は2018年10月14日に登録され、第9類(lèi)の「ダウンロードできるコンピュータアプリケーション、コンピュータプログラム」などの商品への使用が確定した。本事件商標(biāo)3は2008年1月14日に登録され、第16類(lèi)の「紙、印刷された出版物」などの商品への使用が確定した。本事件商標(biāo)4は2018年12月21日に登録され、第16類(lèi)の「紙、臺(tái)帳、帳票」などの商品への使用が確定した。本事件商標(biāo)5は2017年2月7日に登録され、第16類(lèi)の「紙、印刷用紙、臺(tái)帳」などの商品への使用が確定した。

　　2008年4月7日、黃洋氏は金蝶公司と「金蝶員工入職聲明（金蝶社員入社聲明――訳注）」を締結(jié)し、その後、同社の西部地域の総監(jiān)（主任――訳注）として購(gòu)買(mǎi)?物流、成都市の直販業(yè)務(wù)を擔(dān)當(dāng)した。2012年7月2日、財(cái)智公司が設(shè)立され、事業(yè)範(fàn)囲にはオフィス用品、文房具の販売、コンピュータソフトウエアおよびハードウエアの研究開(kāi)発や販売、技術(shù)サービスなどが含まれる。2013年7月5日、黃洋氏は金蝶公司を退職後、財(cái)智公司に入社した。2013年1月1日、財(cái)智公司の申し出により、金蝶公司の授権を経て、財(cái)智公司は成都地域における金蝶関連製品の金牌協(xié)力パートナーとなり、それは2014年12月まで続いた。2015年3月、金蝶公司は商標(biāo)「金蝶妙想」の使用を開(kāi)始し、2015年6月までには商標(biāo)「金蝶妙想」はすでに會(huì)計(jì)ソフトウエアや會(huì)計(jì)伝票の商品分野で比較的高い知名度を持っていた。2015年8月12日、黃洋氏は財(cái)智公司の100％の株式を保有する支配株主となり、法定代表者を務(wù)め、本事件の提訴?受理後に交代し、本事件の審理では財(cái)智公司の社員として訴訟に參與した。

　　2015年初頭、財(cái)智公司は授権終了後も會(huì)計(jì)ソフトウエアや會(huì)計(jì)伝票の商品分野で経営活動(dòng)を継続し、引き続き金蝶ソフトウエアやそれに付帯する伝票を販売した。販売する會(huì)計(jì)伝票商品上ならびに宣伝?プロモーションにおいて「金蝶対応」の表示があり、また「金蝶」、「Kingdee」マークを目立たせるように使用した。その後、財(cái)智公司はさらに2015年11月と2017年11月に相次いで第16類(lèi)、第9類(lèi)、第35類(lèi)の商品にそれぞれ第18233177號(hào)、第18233130號(hào)、第27329567號(hào)の商標(biāo)「金蝶妙想」を出願(yuàn)した。そのうち第18233177號(hào)商標(biāo)「 」は2016年12月14日に第16類(lèi)の「紙」などの商品への使用で登録され、他の2件の商標(biāo)は異議手続き中に國(guó)家知識(shí)産権局により《商標(biāo)法》第15條第2項(xiàng)の規(guī)定に違反すると認(rèn)定され、登録が認(rèn)められなかった。2017年12月8日、財(cái)智公司は悪意をもって取得した商標(biāo)「金蝶妙想」を利用して、金蝶公司の商標(biāo)「金蝶妙想」に対し、無(wú)効審判を請(qǐng)求し、かつ「京東」プラットフォーム上で金蝶公司の経営する店舗に対し、店舗內(nèi)の複數(shù)の場(chǎng)所で「金蝶妙想」を使用していることが自社の第18233177號(hào)商標(biāo)を侵害しているとの悪意のあるクレームを行った。金蝶公司は2017年12月22日に「商標(biāo)申訴書(shū)（商標(biāo)権侵害申立書(shū)――訳注）」を提出し、京東プラットフォームに向けて答弁を行った。その後、財(cái)智公司により権利の根拠とされていた第18233177號(hào)商標(biāo)は、金蝶公司の申立ての結(jié)果、2018年2月6日に國(guó)家知識(shí)産権局により無(wú)効が宣言された。

　　金蝶公司は財(cái)智公司の上述の行為が自社の合法的な権益を侵害したとし、集佳に依頼して2020年7月に財(cái)智公司を商標(biāo)権侵害と不正競(jìng)爭(zhēng)の理由で提訴し、事件は四川省成都市中級(jí)人民法院に受理され、2021年7月20日に結(jié)審した。

　　法院の判決：

　　審理の結(jié)果、成都市中級(jí)人民法院は2021年7月20日に本事件の判決を下し、財(cái)智公司に下記を命じた。

　　1．上述の5件の登録商標(biāo)の権利を侵害するマークの使用を直ちに中止する。

　　2．第1505793號(hào)、第26760297號(hào)の登録商標(biāo)の権利を侵害する會(huì)計(jì)ソフトウエアの販売を直ちに中止する。

　　3．経済損失130萬(wàn)元を賠償し、正當(dāng)な経費(fèi)3萬(wàn)7,026元を支払う。

　　4．『深セン晩報(bào)』、『成都商報(bào)』上の目立つ場(chǎng)所に聲明を連続7日間掲載し、京東の「財(cái)智表単旗艦店」の目立つ場(chǎng)所に聲明を連続30日間掲載し（聲明の內(nèi)容は本法院の審査?承認(rèn)を必要とする）、影響を除去する。

　　注目ポイント：

　　本事件の典型的な意義は、主に「『不正競(jìng)爭(zhēng)防止法』第2條による商標(biāo)権濫用行為の規(guī)制」と「商標(biāo)の合理的な使用に関する裁定規(guī)則」の2點(diǎn)にある。